リクガメのエサって、「小松菜」とか「チンゲン菜」とかあるじゃないですか?
確かにリクガメのエサとしてはメジャーですし、重要とされている「カルシウム:リン」のバランスもよくていいエサです。
だいたいのリクガメも好物なので、頻繁にエサに取り入れている方も多いと思います。
でもそんなカルシウムと同じくらい、リクガメには「食物繊維」が大切だってこと、ご存じでしょうか?
あっ、こんにちは、おとおしゃんのコングロマリット(=おとコン)ミーゴラン(@thrs_f)です^^
先に申し上げますと「野菜」だけではリクガメは繊維質が不足します。
そして“お通じ”がリクガメの健康管理に大きくかかわることは周知の事実かと思います。
なので、この記事の結論はこうです。
今回は、リクガメと、この食物繊維の関係について一緒に見ていきましょう!
野生のリクガメは「野菜」を食べない
とは言ったものの、人間の生活圏に生息しているタイプのリクガメ(ギリシャ、ヘルマン等)は、現地でたびたび野菜を食害することもあるそうなので一概には言えません。
ですが、飼育下のリクガメには、基本的に野菜は飼い主から与えられるものです。
野菜はリクガメには栄養過多になりやすい
一般的にリクガメに適したエサとされる小松菜などの野菜は、あくまでリクガメではなく人間用に作られたものです。
そのため、栄養価は野草よりも高く、味も良くなるよう品種改良されています。
反面、野生のリクガメは原則、野草を食べて暮らしています。
野生では100種類以上の草花を食べているといわれているリクガメですが、野草の多くは野菜よりも食物繊維が豊富です。
栄養の割に野菜は食物繊維が少ない
また、小松菜やチンゲン菜などの野菜は、リクガメに必要なカルシウムが豊富であったりと利点もたくさんありますが「食物繊維」についてはあまり含まれていません。
一例ですが、以下リクガメに与える主要な野菜に含まれる、食物繊維の量をまとめてみました(すべて100g中)。
- 小松菜 1.9g
- チンゲン菜 1.2g
- 水菜 3.0g
- キャベツ 1.8g
- レタス 1.1g
- サラダ菜 1.8g
「水菜は少し多いかな?」とは思いますが、軒並み100g中に食物繊維は1~2%しか含まれていません。
ひとつ例として、草食動物のエサとしてポピュラーな牧草である「イタリアングラス」は、生の状態でも100g中8.5gの食物繊維が含まれています。
水菜の3倍近くも含まれてるんですね。びっくり~。
それぞれの他の栄養素はこちらから。
リクガメと食物繊維
野生のリクガメが食べているのは野菜よりも野草。
そして野草には、野菜よりも食物繊維が豊富。
では、その食物繊維はリクガメにとってどのような役割を持つと思いますか?
まずはじめに思い当たるのは、健康なフンをするために必要、ということなのではないでしょうか。
これ突き詰めてくと深い話なのですが、食物繊維には水に溶けるもの、溶けないものとがあります。
人間にとっても同じなのですが、溶ける食物繊維が水を含ませながら便のかさ増しをして、不溶性の食物繊維が腸内を掃除する役割があるんですよね。
あまり水溶性か不溶性かは深く気にしすぎるほどのことでもないのですが、要は食物繊維をたくさん摂ることで、腸内を清潔に保つ意識を持つことが大事です。
食物繊維は善玉菌の栄養になる
これも人間との共通点でもあるのですが、食物繊維はおなかの調子を整える「善玉菌」のエサになります。
人間だって食物繊維が不足している生活をしているとおなかを壊したり、便秘になったりします。
そのことからも、腸内環境がそう単純ではないことは伺い知れますよね?
その善玉菌のエサが不足していると、悪い菌がリクガメのおなかにたまりやすくなることも考えられます。
なので、レプラーゼというリクガメ用の添加剤があるのですが、これを常に添加するのにはあまり賛成ではありません。
完全に個人の見解なのですが、リクガメの腸内環境だって自らの体内で「バランスを保つ」ことが重要なので、常に外から直接的に取り入れさせるのもよくないのでは?と考えているためです。
でもここは正直、メーカーが出している情報以外に論文その他の文献などがないので、不確実ではあります。申し訳ない( ゚Д゚)
普段のエサに食物繊維を増やす施策
ここまでほぼ繰り返しなのですが、リクガメには食物繊維がとても重要です。
でも、普段の野菜や人工のペレットにも食物繊維は不足しているし、そんなに普段満足に野草は手に入らないし……
という方も多いかと思います。
なので、できるだけ食物繊維を増やすための施策を3つ紹介します。
食物繊維が多い野菜を積極的に取り入れる
野菜の中にも、食物繊維が豊富なものもあります。
そのため、野菜の中でも比較的入手しやすいものがあれば積極的に取り入れていきたいところです。
例として、食物繊維が豊富な野菜のうち、リクガメに与えても支障のないものを挙げます。
- シソ 7.3g
- パセリ 7g
- モロヘイヤ 5.9g
- オクラ 5g
中でもシソは食物繊維に優れているのですが「あまり食べない」という声も聞きます。
我が家では同じシソ科の「ホトケノザ」は時折与えるのですが、こちらはよく食べています。
また、パセリやモロヘイヤは食物繊維以外の栄養も優れているのですが、ビタミンAが多いので与えすぎには若干注意が必要です。
エサに牧草を加える
ウサギなどに与える牧草は、リクガメも食べます。
フレッシュな牧草がいつでも手に入るのであれば一番良いのですが、おそらくそんなに手軽には手に入らないと思います。
乾燥の牧草であれば安く手に入りますが、袋から出したそのままではなかなか食べません。
そのため我が家では、ウサギのエサであるチモシーを粉末にして、カルシウムパウダーと一緒に振りかけています。
粉末にするために家のミキサーについているミルを取り付けて頑張ったのですが、はっきり言うとあまりおススメはできません(すっげーうるさいから)。
頑張るんだぁーーー!アイリスゥゥゥゥゥーーー!! pic.twitter.com/y5QpK9WaD7
— ミーゴラン │ その先へ (@thrs_f) December 11, 2021
おススメはできないんですが、現状「チモシーの粉末」はあまり需要がないのかほぼ市販されていないとみてよいので、チャレンジする価値はあると思います。
実際、我が家ではこれの効果もあってか、1~2日に一度はフンをしているようです。
そもそも高繊維質のペレットを使う
リクガメのエサとして「ペレットタイプのエサはあまり使わない」という意見も多いですが、私はある程度であれば有効だと考えています。
特に、栄養成分の安定が保証されているのはありがたいので、その中でも高繊維のエサを野菜などに混ぜるとよいかと思います。
私が知っている限りでは、Mazuriの5E5Lという商品が最も繊維質も多いようです。
難点としては、リクガメによってそこそこ好き嫌いがあるらしいということと、ほぼ店舗での販売はしていないので通販での購入となる点でしょうか。
終わりに
リクガメにとって、食物繊維はカルシウムと同じくらい大事なものだと考えてます。
初めてリクガメを飼育される方の中で、小さいころに残念ながら死なせてしまったという方もよく見ます。
これは勝手な推測なのですが、その死因の中に食物繊維が不足していて腸内の環境が悪化した、ということもそれなりにあると思います。
温度や湿度もリクガメの命を守るために大事なことですが、それと同じくらい食物繊維にも重きを置いてほしいです。
ではまたまた~ノシ