- 営業で提案するとき、交渉するとき。
- 説明が必要なとき。
- 時系列を確認するとき。
- 社内でプレゼンをするとき。
一部の職人のように一人で仕事をしている以外の業種では、社内・社外に関わらず、様々な人と関わりながら業務をしていることでしょう。
仕事でコミニュケーションしている以上、それらは避けて通る事ができないものです。
「準備万端」だと自分では思っていても、判断基準がなければずっと自信もないままプレゼンや提案をしてしまうこともあると思います。
その時、一つの基準としてかっちり用意しておいてほしいのが「事実」で話をする、ということです。
仕事をするうえで、確実にどんな場面でも軸として持っておくとためになるので、今回は自分も含めてしっかりと再確認しておきたいと思います。
解釈ではなく、ファクト(事実)で語る
まずは想像していただきたいのですが、自分が営業の部署に所属していたとします。
週初めに「先週の結果と今週のプランニング」についてのミーティングを行っています。
自分はそれぞれの営業の上司で、以下のような報告を受けました。
さて(というかあまりにも極端な例となっているので恐縮ですが)、あなたが2人の上司だった時、どちらのほうが理にかなった報告になっているでしょうか。
どちらの方が説得力があるか。
後者ですよね。
- 「頑張る」「必ず達成する」といったワードを使わず「具体性」を持たせる
数字を用いて「事実」として捉える
「目標達成できていないのは自分の頑張りが足りなかったから。とにかくもっとがむしゃらに頑張ります。」
「目標○に対して△円の不足。要因は■■が○件不足していたから。今週は○○を▲件増やして目標達成する。」
気持ちではなく、明確な数字として捉え、その事実に基づいて「では、どうするか」までを落とし込んでいる。
前者と後者の違いは明確です。
前者は、自分にベクトルを向けている事は正解です。
営業とか提案をするうえで「あの人が……課長が……決裁が……」と他責にするのであれば、そもそもステージに立てていません。
しかし、頑張りが足りなかったという『解釈』に過ぎず、未達成であると言う『事実』がぼやけている。
「で、いくら足りなかったの?何が原因だと思うの?今週はどうするの?」
そういった上司の『詰め』が目に見えますね。
「とにかく頑張る」のは高校の部活で卒業するべきです。
後者は、まず最初に未達成であるという結果の『事実』がある。
「目標はいくらで、どれくらい足りなかったのか」
だからこそ、原因、対策を考える事ができる。
PDCAというのを社会人であれば聞いたことがある方は多いと思いますが、このPDCAはどこからでも回していくことができます。
また、数字や「実際に起こったこと」=ファクトを捉える事で「〜だと思います」と言ったあやふやな表現も消せます。
- 事実(ファクト)=数字や「起こったこと」を元に話をする。
「ファクト」は数字の話だけではない
また、私は以前「顧客サポートを中心に行う」というクレーム処理の部署に2年程いたのですが、この「ファクト」についてはそういったクレーム処理にも用いることができます。
例えば、クレーム対応をする時にもファクトを元に話をする事で、建設的な話をする事ができます。
具体的な例で話すと「言った言わない」の問題は発生したとします。
言った言わないといった問題は結局、証拠となる書面やデータといった『事実』がないから、いつまでも前に進まないんですよね。
でも逆に、証拠となる『事実』がないという『事実』がある。
多少の力技が必要なときもありますが、だからこそどうしたいか、という前を向いた話に進める事も出来ます。
「記録・証拠が残っていない。この点については事実でございます。そのためこれ以上確認することができない状況でございますが、お客様の○○というご希望につきましては今回、対応させていただきます/対応はできかねます」
というように「事実」として証拠がないのであれば、それを認めて次のアクションへつなげていくことができます。
お客様の立場に立っても、何も話が進まず平行線のままでは時間の無駄です。
こちら起因でトラブルを引き起こしてしまった場合は負い目を負うことになりますが、それはそれとして認めてそこから何ができるかを考えた方がお互いに有効です。
組み合わせて自分のものにする
数字/ファクトで語る。
こういった「ビジネスに関するスタンス・考え方」というのは、単体でも効果を発揮するものもありますが、自分の中で良いと思ったものを練り合わせて「自分のもの」にしていくことがとても重要です。
「市場価値の高いスキル」はリクルートの評価「6つのスキル」を参考にすると良いよ。非常に本質的。
■見立てる
・構造で捉え俯瞰してみる力
・分析的に捉え問題を特定する力■仕立てる
・筋の良い仮説を立てる力
・プロセスを作り込む力■動かす
・ビジョンを打ち出す力
・人を理解し統率する力— motoさん (@moto_recruit) 2019年6月4日
上のtweetはサラリーマンとして活躍しながら副業でン千万も稼ぐ凄腕のmotoさん (@moto_recruit)のものなのですが、初めの「■見立てる」の部分に今回の「ファクト」を取り入れることで“冷静に、事実を伴った組み立て”ができるようになってきます。
日々流れる情報は飽和している昨今ですが、「自分の選択」でオリジナルを作っていきたいですね。
まとめ
私も学生ノリが抜けなかった(というより“営業”として働きはじめた)頃、よく上司に「数字で話をしろ」と指導されました。
とにかく頑張る、なにがなんでもやりきる、というのはスタンスとしては正しいのですが生産的とは言えません。
- 状況を明確に把握するために「数字/ファクト」で捉える。
- 「精神論」が出てしまいそうなときは冷静になって「数字/ファクト」を探る。
- ファクトを捉えることで論理立てて話ができるようになる。
- クレームを受けたとしてもただ謝るのではなく「事実」を元に改善提案を行う。
数字で話をしていけるようになると、今度は数字を操れるようになってきます。
ただただ「言われるがまま」というフェイズを超えることができます。
物事を明確にしているか。あやふやに勢いでやり過ごそうとしていないか。
この記事がどなたかの働き方の「ちょうどいい」に作用してくれればと思います。